先日、ご縁をいただきまして草野作工株式会社に訪問取材をさせていただきました。
草野作工株式会社は江別を拠点に道路、河川、橋梁、農業土木等の公共工事を中心に活躍されていて
「橋梁の草野」と名を馳せる会社さまですが、
主婦目線では、草野作工さんといえば江別市内にある約230箇所の公園管理をしてくれていたり、
疲労、二日酔い、老化防止や美容のためにも効果的な「北海道産有機黒にんにく」でもお馴染みで、
身近でもお世話になっているなと思っていました。
この度は、代表取締役専務の草野量文さんにお会いして、私の知らなかった草野作工さんの多様な事業内容や新たな分野にも挑戦されているお話を直接聞かせていただき、驚きと感動の大人の社会見学となりました!
もくじ
まずは、野幌にある4.5ヘクタールの農地で、珍しいものを作っているということで、案内していただいたのですが「この畑に行くと独特な匂いがして、一日いると身体が熱くなって、汗をかくんだよね」と草野さん。
確かに、漢方のような匂いがします。ここで作られているのは
「カノコソウ」という植物で、小林製薬(株)の「命の母A」の原料を受託生産されているとのこと。
小林製薬(株)のHPにも 生薬のこだわり〜カノコソウの研究〜 というページで
「カノコソウ」は、生薬としての使用を目的にした栽培が難しいと言われています。そのため、生産性が低く、貴重な生薬の一つとしても有名です。
小林製薬は、(独)医薬基盤研究所と共同で、「カノコソウ」の生薬栽培の研究にも力を入れています。
厳選した「カノコソウ」を配合 と紹介されていますが、私もそろそろ更年期が気になる年頃なので、更年期の女性の心と身体の健康を守る 女性保健薬の大切な原料が、江別市で栽培されているとは驚きと感動と親しみを覚えました。
カノコソウは連作障害が著しく、根腐れ病などにならないように輪作が必要であったり、可愛らしい花が咲く植物ですが、生薬として利用する場合は花を摘む作業を手作業で行う必要があるそうで、大切に手間をかけて江別の大地のパワーを吸収して育てられているのだなと感じました。
カノコソウの畑の隣には、パークゴルフ場があったのですが、シルバー世代の高齢の方たちが元気にパークゴルフを楽しんでいる姿が見え、もしかすると、これはカノコソウの匂いで、元気になっちゃうゴルフ場では?!と思いました。
お話を聞いていると、創業当時よりずっと江別の自然をとても大切に考えていらっしゃることが伝わってきます。
貴重な自然や歴史的環境を守る活動の一環として、昭和63年より、江別市篠津の国道275号沿いの石狩川と篠津川に挟まれた約8.6ヘクタールの土地(野菜の駅ふれあいファームしのつの向かえ側辺り)を環境緑地として保護している、しのつ河畔林を見学しながら、
「財団法人 草野河畔林トラスト財団」を設立した経緯など熱い想いを伺うことができました。
しのつ河畔林は、ハルニレの群生や、オニグルミなどの天然林に加え、桜、オンコ、ブナなどの移植した植栽木も自然に増えつつあるという豊かな緑あふれる貴重な林になっています。野鳥や野生小動物にとっても憩いの場となっているそうです。
オニグルミの実を拾いました♪ リスやウサギにも会えたらいいな
これらの季節は、紅葉が最高にキレイそうと思って、眺めていると
「ぜひ皆さんに林内を自由に散策していただきたいです。でも、夏場はスズメバチがいるので気をつけて。」と草野さん。
駐車場が約10台分ある他、水洗トイレは平日は開錠されていて利用できるのと、予約をすると河畔林文庫も利用できるとのこと。 河畔林散策も団体での利用の場合には事前にご連絡をどうぞということで、新緑の河畔林を散策しながら自然との共生について考える「しのつ河畔林自然セミナー」が行われることもあるそうです。学ぶことで、より一層自然を身近に大切に感じることができますよね。
詳しくは、
財団法人 草野河畔林トラスト財団のHPをぜひご覧になってみてください。
さて、今回特別に見学させていただいたのが、こちらのファイブナノ実験室です。
経済産業省北海道経済産業局「平成28年度戦略的基盤技術高度化支援事業」と書かれていますね。
将来性に着目し、草野作工と北海道大学が北海道発の素材として研究開発を進めてきた新規材料の発酵ナノセルロース (商品名:Fibnano/ファイブナノ)がつくられている場所です!
この装置の中でつくられている
Fibnano/ファイブナノは、甜菜やサトウキビで砂糖を作っていく過程で最後に捨ててしまう搾りかすのようなものを原料に、セルロース生産菌(特許菌)を使い、日本の伝統技術“発酵”により作られたセルロースナノファイバーです。
この素材はは、軽量でありながら、加工によっては鉄の5倍の強度を持ち、熱による変形が少ないなどの性質や、樹脂と混ぜると軽くて丈夫であることから、様々な用途への応用が可能な素材だそうです。
また、農作物が原料なので、食べることもできるため食品や化粧品、医療分野への展開も期待されています。
まるで、魔法の素材ですか?!と驚きでした。実際にファイブナノを利用した製品が使われることによって循環が活かされいく自然環境への配慮と、将来への素晴らしい可能性に「北海道から世界に発信できる技術や素材が江別でつくられてるってすごくないですか!!」と鳥肌が立つほど興奮しました。
昔、建設関係といえば、キツイ・汚い・危険の3Kと言われていましたが、草野作工のKは
・給料が良い・休暇が多い・危険回避対策の徹底・絆で結束・きれい・カッコいいものづくりの6K
例えば、新規事業を始めるような時には、いろいろな人の話を聞き、結びつきを探して、新しい人材を確保したり、働く環境を整え若い人たちにもいいなと思っている会社づくりをしていますと、人と人との結びつきをとても大切にされているのも伝わってきました。
産業省が平成29年12月に選定した「地域未来牽引企業」として、全国から2,148社が選ばれたうちの1社となっているそうです。
「私も江別が大好きで・・」とたくさんのお話をしてくれた草野さん。「今、100年に一度と言われる自然災害が起こっていますが、昭和56年に江別も水害にあった歴史があるので、遊水地の整備なども進めています」と・・・私たちの江別のまちは、江別が大好きな人たちに守られて、支えられて、豊かであるのだなと、改めて感じ、有り難い温かい気持ちになることのできた 大変貴重な社会見学となりました。
本当にありがとうございました!!
草野作工株式会社 HPもぜひご覧ください!
住所:〒067-0063 北海道江別市上江別西町16番地
TEL:011-382-2135
FAX:011-382-5857