11月9日(土)江別市民会館にて、2010年ノーベル化学賞を受賞された鈴木章氏の講演会が開催されました。
主催の江別消費者協会は昭和44年に設立され、今年で50年を迎えます。また江別消費者大会においては昭和46年より開催され、今年で48回目を迎えます。
協会が設立され50周年を記念し、今年は江別市在住でもあり、北海道大学名誉教授理学博士の鈴木章氏による講演が行われました。
もくじ
暮らしの中で商品やサービス、消費生活全般に関する苦情や問い合わせなど、消費者からの相談を専門の相談員が相談を受け、アドバイスやトラブルを解決する助言を行っています。
江別消費者協会HP
http://www.syouhisya.or.jp/kyokai_syosai/ishikari/kyokai_ebetu.html
1930年 北海道むかわ町で生まれる
1954年 北海道大学理学部卒業
1959年 北海道大学院理学研究科博士課程修了
その後は北海道理学部助手、パーデュー大学博士研究員、ウェールズ大学、倉敷芸術科学大学、台湾国立大学、中国科学院上海有機化学研究所などの勤務を経て現在に至る。
世の中は日中戦争や第二次世界大戦の中でこども時代を過ごしてきた。算数や数学が好きで、中学生になると将来は理学の数学を勉強したい考えていた。今でいうガリ勉タイプでもなかったが、読書は好きだったと言う。
大学生だった当時の鈴木氏は、2冊の洋書と出会う。1冊はハーバード大学のフィーザー教授夫妻の著書『テキストブック・オブ・オーガニック・ケミストリー』、もう1冊はパデュー大学ブラウン教授の『ハイドロボレーション』。当時これらの洋書は1冊6,000円の値段であり、学生が買うにはとても手の届かない値段であった。フィーザー教授が札幌丸善に、もっと安く販売できないかと手紙を書き、なんと550円で販売された。この2冊を購入して読み、鈴木氏が有機化合物を研究するきっかけとなった。洋書だったため、読むには苦労もしたとも言う。
1963年から1965年の2年間、アメリカ合衆国インディアナ州のパデュー大学のハーバート・ブラウンのもとで有機ホウ素化合物の研究を行った。この2年間の経験により、現在北海道大学特任教授の宮浦氏との鈴木・宮浦カップリングの発見に至ったのが1979年であった。
2010年10月9日に、自宅にストックホルムからノーベル賞受賞の電話がくる。
北大で初めて見つけた実験で、炭素と炭素を結合して有機化合物となる
世の中の液晶会社で使われた
ストックホルムでのノーベル化学賞の授賞式
メダルと表賞状が授与される
メダルの下には受賞者の名前も書かれている
表彰状
晩餐会の様子 約750名が出席
人生において、失敗はつきものだと鈴木氏は言う。学生達が実験で失敗をした時は落ち込むが、その時は常に失敗は当たり前と繰り返し言い続けてきたそう。そして時にはススキノのバーへ学生を連れて行き、「今日の失敗は忘れて、明日は元気に登校してくるように」と話をしたりしたと言う。
江別市情報図書館に掲示されているパネル