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江別市のブロッコリー基本情報 作付け経緯・統計データなど

ブロッコリーは江別市の特産物ですが、この記事では、ブロッコリー生産と江別市をテーマに基本的な情報を記述します。

江別市のブロッコリー栽培は平成5年に始まった

江別市公式サイトによると、江別市の農業は、もともと米や小麦栽培が中心でしたが、米価下落の影響を受け、昭和60年代に収益性の高い作物への転換が模索されました。

この中で、土壌条件を選ばず風に強いブロッコリーが最重要品目の候補となり。平成5年から作付が始まりました。

その後、栽培技術の向上や機械化が進み、新規栽培者も増加し江別市内でブロッコリー栽培が定着したとのことです。

夏は北海道で、冬は四国・九州などで収穫されるブロッコリー

ブロッコリーは、冷涼な気候を好み、高温多湿に弱い性質があることから、北海道では夏場の生産が盛んで、都道府県別収穫量では、北海道がダントツで1位となっています。

全国的には、北海道とともに、埼玉県、長野県、愛知県、徳島県、香川県、長崎県でブロッコリー生産が盛んです。

北海道では夏場の生産が有利であり、四国や九州では冬場の生産が強みとなっています。これにより、日本全体で安定したブロッコリーの供給が可能になっています。

江別市は道内有数のブロッコリー生産地

江別市の風の強さは、ブロッコリー栽培に有利に働いています。これは風によって病害虫のリスクが軽減し、しっかりとした株が育つことに関係していると考えられます。

江別市のブロッコリー収穫量は、道内では1位、2位を争っていますが、全国の市町村別でみると、まだまだ収穫量の多い市町村が存在しています。

 

ブロッコリー収穫量などの統計データ

ブロッコリー出荷量 都道府県別では、北海道がダントツ1位

【2023年(令和5年)都道府県別統計よりブロッコリー出荷量】
(  )内は、2013年(平成25年)の出荷量
1位 北海道 25,500トン(20,500)
2位 愛知県 13,300トン(13,500)
3位 埼玉県 13,100トン(12,900)
   香川県 13,100トン(8,130)
5位 徳島県 11,100トン(6,300)
6位 長野県 11,000トン(7,310)
7位 長崎県 10,200トン(5,790)

8位 熊本県 8,330トン(2,480)
9位 鳥取県 6,440トン(5,550)
10位 群馬県 5,560トン(5,020)
出典/e-Stat(政府統計)より 2023年(令和5年)データ

出典/e-Stat(政府統計)より 2013年(平成25年)のデータ

令和5年度主要野菜作付実態調査集計表によると、北海道のブロッコリー「収穫量」は、23,751トンとなっており、上記数字と若干の差異がありますが、北海道がナンバーワンであることには変わりなさそうです。

出典/主要野菜作付実態調査結果(H25~R5)(北海道)

 

ブロッコリー収穫量 市町村別の全国ランキング

2006年(平成18年)のブロッコリー全国市町村別生産量】
            収穫量 出荷量
1位 愛知県田原市 10,000トン 9,540トン
2位 埼玉県深谷市 9,540トン 8,710トン
3位 愛知県豊橋市 3,380トン 3,200トン
11位 北海道東川町 1,340トン 1,250トン
12位 北海道音更町 1,200トン 1,100トン
14位 北海道江別市 1,100トン 1,040トン
15位 北海道伊達市 1,020トン  961トン


出典/市町村別ブロッコリー産地-生産ランキングより(ジャパンクロップス)

このデータは、2006年(平成18年)と少し古いのですが、北海道の市町村を見ると、収穫量・出荷量が多い順は、東川町、音更町、江別市の順となっています。この時の、江別市のブロッコリー収穫量は、1,100トンです(おそらく現在の約半分)。

 

ブロッコリー収穫量 北海道内ランキング

【2013年(平成25年)北海道内のブロッコリー収穫量】
1位 江別市 2,210トン
2位 長沼町 1,120トン
3位 東川町 1,300トン
4位 伊達市 1,110トン
5位 厚真町 1,220トン
6位 音更町 1,100トン

出典/北海道農政事務所「野菜(主要品目の上位市町村)の市町村別作付面積及び収穫量(北海道)」による。

前記2006年(平成18年)と比較して、江別市の収穫量が倍増しています。これにより、この時点で道内トップとなったようです。

「収穫量」に関しては、この時点以降の市町村別データは公表されていませんが、「作付け面積」が以下のとおり公表されています。

 

最新状況を推測するには、「作付け面積」(令和4年)

【令和4年 北海道内市町村別ブロッコリー作付け面積】
1位 むかわ町 410ha
2位 江別市 267ha
3位 音更町 242ha
4位 長沼町 201ha
5位 東川町 192ha
6位 伊達市 160ha
厚真町 不明

出典/グラフと統計でみる農林水産業(農林水産省)


ブロッコリー収穫量・出荷量・作付け面積データのまとめ

ブロッコリーの収穫量の都道府県別ランキングでは2023年時点で北海道がダントツ1位です。市町村別に見ると全国では江別市よりもはるかに収穫量が多い市町村が存在します。

北海道内に限ると2013年の統計では江別市が1位ですが、現時点では順位が入れ替わっている可能性は否定できません。

注目ポイントは、むかわ町の2020年のブロッコリー作付け面積が410haとなっており、江別市のブロッコリー作付け面積(2013年は187ha、2020年は267ha)を大きく上回っている点です。

また、2021年に放送されたHBCの「あぐり王国北海道NEXT(2021年7月放送)」の中で、JAながぬまの職員が「当地区の2020年の生産量は2000トンです!」と発言しており、大きく生産量を増やしていることが分かります。