聞くところによると、様々なタイプの読書会があるらしい。札幌の色々な読書会に参加している方が、今回2017年07年26日夜、大麻読書会に参加していただきました。課題図書を読んできて話し合うタイプは、趣味が一致する気心が知れた仲間になりがちとか、参加者多数の読書会は、グループミーティングのようだとか。大麻読書会は、1ヶ月の間に読んだ本を紹介し合ってフリートークする、割とユルい感じですね。
私は2017年3月以来、毎回参加しているのですが、ツキイチ開催のため、今回は第5回目の開催です。事前に参加表明していたのは、主催者と私とその初参加者の3名。3人かよ〜と思っていたら、ドタ参で2名加わり、通常規模になり、良かった良かった〜。
自己紹介と暑気払いについて一言二言。なかなか多様な暑気払いをしているご様子で、人となりが伺えます。
もくじ
『高校図書館デイズ』(成田康子著、ちくまプリマー新書刊)
札幌南高校の図書館司書(札幌月寒高校、江別市大麻高校も勤務したことがるらしい)と高校生たちとの語らいを綴った本。私も、FB上で主催者に個人的にオススメしながら、シェアした本だ。学校図書室の大切さがよく表れている。親でもなく教師でもない、第三の大人、ナナメの関係だからこそ言える吐露や呟き、何気ない言葉。面白そうな本だな〜。やっぱり読んでみたい。
『顔に降りかかる雨』(桐野夏生作、講談社文庫刊、乱歩賞受賞デビュー作)
ミステリー界の3F、女性作家、女性読者、女性主人公を成し遂げたハードボイルドなクラムミステリ小説。主人公の親友が大金を持ち逃げ?!暴力団員と絡んでいた?!夫を自殺で亡くした主人公。二転三転していく展開。後に、『OUT』を出すことになる作者のデビュー作なので、その雰囲気は端から出ていた。
『埼玉いきもの図鑑』(メイツ出版刊)
植物、動物、昆虫、爬虫類、両生類、鳥類、魚類等、埼玉県内に生息するいきものを網羅した図鑑。ドクロマークが付いているものは、毒があったり、攻撃性がある危険生物。写真にサイズと出没時季にマークされている。眺めてるだけでも楽しいが、実際、埼玉には生き物がいっぱいいました。いっぱい捕まえていました。北海道版のこういうのがないかな〜と思っていたのですが、北海道はデッカイドウのせいか、生態系が多様過ぎなのか、北の大地の大自然を網羅するのは無理のようで、網羅したものはないようです。カテゴリーごとにまとまっていれば良い方なのかも。下手したら細分化した図鑑しかない。そもそもこの版元さんは関東しか作ってなかったよ。
『人類の未来 AI、経済、民主主義』(NHK出版新書刊、吉成真由美編・インタビュー)
ノーム・チョムスキーには、米国トランプ政権など国際政治について、
レイ・カーツワイルには、AIからのシンギュラリティについて、
マーティン・ウルフには、グロバリゼーションと国際経済について、
ビャルケ・インゲルスには、都市とライフスタイルについて、
フリーマン・ダイソンには、気候変動モデル懐疑論について、
インタビューしてまとめた本。会話なので、最先端の知識人といえどもスイスイ読めます。『知の逆転』も面白かったので、これも当然面白いだろうと。チョムスキーは相変わらず辛辣で舌鋒鋭くて良かった。シンギュラリティの本来の目的もわかって、提唱者に話を聞くのは良いな。
『中動態の世界』(國分功一郎著、医学書院刊)
加えて、今読んでいるのが、一部で話題の1冊。能動態と対比しがちな受動態。けれども、そもそも受動態は、中動態から派生した?能動態と対比すべきは、中動態なんですってよ。そもそも中動態って何?という言語学チックな哲学書・・・医学書寄り。
『知のスクランブル 文理的思考の挑戦』
ついでに紹介したいのが、我が母校日大文理学部のは、母校の好で買ったものの、在校時代にいた先生な訳はなく、今現在教えておられる先生方なので、馴染みがないわけです。w今更読んでもな〜な感じなので、これは高校生に読んでもらいたいかな。w
『聖の青春』(大崎善生作、講談社文庫刊)
松山ケンイチ主演で映画化もされているので、どういう本かはわかるかな。思う腎臓病を患っている棋士村山聖についてのノンフィクション。作者の大崎さん自身、将棋会館の事務方だったそうで、森師匠のこともよくご存知だったそうだ。師匠譲りの破天荒な人生で、羽生さんにも一目置かれるほど命を懸けて将棋をさした終盤の村山。享年29歳。今話題になってる藤井四段が勝ち続けて行ったら、どんな異名が付くんでしょうね〜?
『石の繭』(麻見和史作、講談社文庫刊)
警察小説。ごく普通の女性刑事。所轄の刑事になんやかや言われながらも、次第に本庁一課の同僚たちに認められていくのが良い感じなんだそうです。WOWWOWでドラマ化されてたらしい。まぁ、見られなかったけどね。
『ぼくの村は壁で囲まれた パレスチナに生きる子どもたち』(高橋真樹著、現代書館刊)
パレスチナ問題についてのルポタージュ。帯に、中東問題に詳しい国際政治学者の高橋和夫先生が!知らないわけじゃないけど、地理的距離感から心理的にも距離感を感じてしまう問題。簡単には解決不可能だし、70年以上もたってしまったら、世代も代わるし、益々解決困難になっていくだろうな〜。
けれども、知らないままで済ませることもできない。何の力にもなれないけど、身近なところから、いがみ合いや差別などに抗っていきたいよね。
次回第6回目は、9月開催になります〜。FBで告知しますから、「大麻読書会」で検索して、早めに参加表明してね〜。ドタ参も可ですよ〜。