社会福祉法人北海道友愛福祉会が経営する介護老人福祉施設「静苑ホーム」では、学生向けのオープンカフェを定期的に開催しているとのことで、見学をさせていただきました。
もくじ
ドアからのぞき込むと何やら部屋の中から盛り上がる声が。
ドアを開けると、そこは陽光の差し込むカフェ。
静苑ホームでは、介護福祉士などを志望する学生が若手職員と気軽に等身大で情報交換できる場を、カフェスタイルで設けています。今回で4年目、6回目となる開催。
学生3~4人の少人数グループに若手職員がひとりずつ付き、和気藹々としごとのお話をしています。
若手職員が自ら企画するカフェということで、とても気さくで明るい雰囲気。なんたって職員さんはアロハスタイル。
一瞬この場所が介護施設であることを忘れてしまいそうになります。
ワークショップもあり、介護の仕事のケーススタディとして、介護が必要な方のパーソナリティをみんなで想像し、その方に必要な介護のあり方についてアイデアをみんなで出し合いました。
Aさん、76歳、女性、B施設に入所
・右半身の麻痺
・普段は車椅子に座り生活している
・支えがあれば5mほど歩行が可能
という想定ではじまったワークは、まずはAさんの人となりを想像してみることから始まります。
「Aさんは温泉が好き」
「自分で歩きたいと思っている」
「自分のことは自分でやりたいと思っている」
自由にAさんの人となりを想像し、付箋に落としていくことで、次第に本当にAさんが存在しているようなリアリティをまとってきます。
次にグループを移動し、他のグループがパーソナリティ設定したAさんにどんなコミュニケーションが必要なのかを想像していきます。
「温泉が好きだから、どこの温泉が好きかまずは聞いてみたいなー」
「温泉が好きということは浴衣を着たいと思っていたりして・・」
Aさんのことを想像しながら、実際の人と向き合うような会話を展開していきます。
その後の施設見学では、オープンカフェの雰囲気がその場だけの特別なものではなく、施設全体の雰囲気がそのままカフェスタイルになったものだということがわかりました。
すれ違うスタッフの方が誰もが笑顔で挨拶をしていることや、入居者の方の朗らかな雰囲気はカフェの雰囲気そのもの。
なんと付近の小学生の子達もボランティアに来るそうで、これも施設からの声掛けや募集ではなく、自然と子ども達が集まるようになったそうです。
入口にあるガチャガチャは、ボランティアをした子どもがボランティアポイントをためると回せるしくみ。
施設見学が終わると、市内の有名スイーツ店のスイーツビュッフェを囲んでのフリートーク。
甘いものを一緒に食べながら参加者同士も職員さんもすっかり打ち解けた様子で話がはずんでいました。
福祉施設の学生オープンカフェと聞き、介護という分野にあまり明るくない私にはどういう雰囲気のものか見当がつかずでしたが、一歩足を踏み出すとそこは介護という仕事と向き合う若手職員が等身大の姿で介護の現場を学生に伝える場であり、また、施設全体のオープンで朗らかな空気をまるごと体感できる場でもありました。
介護を志望する学生さんには嬉しい機会ですね。
静苑ホームでは、地域の方のヨガ講座なども行われているとのこと。
次回の開催やほかのイベントについては、静苑ホームfacebookページをご覧ください。
北海道江別市新栄台46番地の10
(011)389-4165