江別市文京台の野幌森林公園と酪農学園大学の敷地の間の丘陵地のほぼ頂部に、
「北海道林木育種場旧庁舎」という昭和2年に建築された貴重な建物が残されています。
12号線を札幌方面から江別市内へ向かう時に車中からも見つけることができますが、
何に使われていた建物なのか、今現在はどうなっているのか・・・?
建物の内部を見学してきましたよ。
もくじ
明治41年、札幌郡江別村字野幌国有林内に帝室林野局野幌林業試験場が設置。
昭和2年に現在地に移転改築。
明治年代から、野幌国有林にて林業に係わる研究が広く行われていたため、この庁舎は昭和年代の林業研究の要となっていたそうです。
昭和11年10月7日には、陸軍特別大演習にあたり、野幌原始林内大沢に昭和天皇の行在所が置かれた際に、
昭和天皇が、秩父・三笠宮殿下と共に林業試験場に行幸、ご休憩されたこともあるそうです。
庁舎は、柱・梁・すじかいなど骨組みとなる部分を木材で組み立ててから、その間を石材などを詰め込んで壁としたハーフテンバーといわれる北ヨーロッパやイギリスにみられる木造建築構造を基調にしており、木の骨組みはそのまま外に現され装飾も兼ねるため、上質な外観意匠を持っています。
基礎部分にはレンガが使用されているため、造りもしっかりしてるそうで、
大正、昭和初期の特に庁舎建築物の中で現存するものが少なく、貴重な建物だそうですよ!
現在では、毎週土曜日・日曜日と国民の祝日(12月29日~1月3日は除く)のAM9:30〜PM4:30まで
1階の休憩室・談話室・トイレ・更衣室を一般の方も自由に利用することができます。
林木育種場旧庁舎の裏手からすぐ、野幌森林公園への入口になっているので、公園散策の時に利用できるとありがたいですよね。
【曜日と時間】
毎週土曜日・日曜日と国民の祝日(ただし、12月29日~1月3日は除かれます)
時間は午前9時30分から午後4時30分までです。
【できない行為】
営業行為、宗教活動、政治活動、飲酒行為、占有行為(教育委員会の許可を得たものを除く)
【注意事項】
ごみは各自お持ち帰りください。
扉の周りの石造りが印象的な正面玄関から中に入ると
石造りの手すりが重厚で珍しい階段が目に入ります。
二階部分は未改修のため、階段の踊り場までしか行くことができませんが、
踊り場から見える正面の部屋が、昭和天皇がご休憩で利用されたという「特別応接室」です。
さて、休憩に利用できる一階の様子ですが、
建物東側が利用できる場所となり、トイレ・更衣室・談話室・休憩室があります。
休憩室では、畳敷きの小上がりもあり、くつろげる雰囲気です。
林木育種場旧庁舎の敷地内には、樹齢推定210年のイチイの木がありました。
江別市保存樹木に指定されているそうで「登満別にあった林業試験場が移転したときに移植され北海道林業の推移を見てきた樹木」と書かれていました。
神社仏閣でも、古い木が御神木として大切にされているように、北海道の林業を見守ってきたイチイの木も特別なものなのでしょうね。
あ!ちなみに林木育種場旧庁舎の建物は、ポケモン GO のポケストップになっているので、アイテムやタマゴをゲットできる場所ですよ♪
江別市では、この登録有形文化財である「林木育種場旧庁舎」を民間のアイデアと力により、歴史的建造物としての価値を生かしつつ、魅力ある施設として活用していただける事業者を募集しているとのことです。
建物は、江別市の所有ですが、改修などの費用は活用していただける方の負担となるということで、
改修工事に多大な費用がかかると聞いて、目が丸くなりましたが、もし宝くじが大当りしたら、素晴らしい憩いの場を作ることができるかも!!と妄想が膨らみました。
建物のレトロな魅力はもちろんですが、森の中にあるような環境、
野鳥やリスもいるのかな?
丘の上から国道12号線の方を見てみれば、北海道の力強い大地を感じさせる雄大な景色を眺めることができる立地もステキです。
江別市公式サイト「林木育種場旧庁舎活用のご案内」ページで詳細が確認できます。
お問い合わせは、江別市生涯学習課生涯学習係(文化振興担当)です。
住所:〒069-0836 北海道江別市文京台緑町561番地の2